Nature ハイライト

遺伝：偽遺伝子にも影響力がある

2008年5月22日 Nature 453, 7194

進化の過程で、多くの遺伝子が複製を繰り返していくうちに、重複遺伝子の1つに突然変異が蓄積されて機能しないようになる。こうして生じた「偽遺伝子」は、ゲノム中の発展性のない部分であり、注目に値しないものだと見なされてきた。ところが、この考えは正しくないようだ。2つの研究グループが、実際には偽遺伝子は遺伝子発現に影響を与えていると報告している。この仕組みでは、偽遺伝子由来のRNAアンチセンス転写産物と、タンパク質コード遺伝子のmRNAとの対形成によって二本鎖RNAが作られ、これがプロセシングを受けて内在性siRNAができるのである。