Nature ハイライト 医学:複雑ながん 2008年5月22日 Nature 453, 7194 マウス胎仔肝臓の造血幹細胞からがん抑制遺伝子Ptenを欠失させることにより、新しい白血病モデルマウスが確立された。このマウスは、急性Tリンパ芽球性白血病に進展することがある骨髄増殖性疾患を発症する。病態の進行は、βカテニンを必要とし、染色体転座が起こってがん遺伝子c-mycが過剰に発現するようになる白血病幹細胞によって進行する。こうした現象は、ヒト急性Tリンパ芽球性白血病でみられるのと同じである。今回の研究によって、複数の遺伝的変化が、過剰増殖疾患とがんの進行にどのようにかかわるのかが明らかになった。 2008年5月22日号の Nature ハイライト 宇宙:X線で捉えた新しい超新星 細胞:胚性幹細胞の基底状態を探る 構造生物学:DNA修復での鎖交換をみる 気候:古代の大気の新たな代理指標 進化:隔たりを埋める両生類 細胞:心臓細胞を注文生産 医学:複雑ながん 遺伝:偽遺伝子にも影響力がある 生理:借り物のATPで暮らす 生物物理:細胞が形を変える仕組み 目次へ戻る