Nature ハイライト 材料:よくのびるクリーム 2008年7月3日 Nature 454, 7200 ペーストやエマルジョンを表面に広げることは、例えば、スキンクリームを塗ることなどでおなじみのありふれた過程である。しかし、その根底にある物理的特性は複雑である。クリームが流れやす過ぎたり固過ぎたりしたら、役に立たないだろう。こうした材料の性質は固体と液体の間に位置しており、生じる流れでの応力とひずみの関係はおろそかにできない。今回Goyonたちは、これらの薄膜が、膜の厚さと膜が流れる表面の粗さの影響により、バルクで存在する場合とは全く異なるふるまいを示すことを明らかにした。例えば、薄いクリーム状の膜は、バルクの流れ特性から予測されるよりはるかに広がりやすい。このようなふるまいは、食品や化粧品の生産加工から土石流に伴う危険に至るまで、幅広い状況に関連している。 2008年7月3日号の Nature ハイライト 遺伝:「幹細胞になる」のを阻む障壁 進化:極めて初期の細胞膜 材料:よくのびるクリーム 化学:水素原子を強く引っ張る 生態:海洋酸性化の生態系への影響 生理:心臓の修復 神経:塩にひかれる 医学:コカインが欲しい! 目次へ戻る