Nature ハイライト 細胞:結核菌の自己活性化 2008年8月7日 Nature 454, 7205 ヒトの病原菌である結核菌(Mycobacterium tuberculosis)は、ESX-1と呼ばれるタンパク質分泌系を使って、宿主防御機構を無効化する病原性因子を排出する。ESX-1は感染早期に病原性を発揮するために重要であることが知られているが、これがどのように制御されているかはよくわかっていない。今回、結核のマウスモデルでの研究から、結核菌がそれ自身の活性化因子を排出することが明らかになった。この因子は、EspRと呼ばれるDNA結合型転写因子で、ESX-1の正の制御因子として機能する。ESX-1の分泌するタンパク質のいくつかは現在進行中のワクチン臨床試験で主要な抗原として使用されているので、この研究はワクチン開発に影響を与える可能性がある。 2008年8月7日号の Nature ハイライト 医学:模範解答 細胞:結核菌の自己活性化 薬理学:部分アゴニストが働く様子 細胞:生命の新たな始まり 宇宙:銀河の暗黒物質の分布 地球:地球内核が東半球と西半球で異なる理由 進化:目新しい機能を進化させる 遺伝:DNAメチル化の地図 感覚:体温調節 目次へ戻る