Nature ハイライト

細胞:結核菌の自己活性化

Nature 454, 7205

ヒトの病原菌である結核菌(Mycobacterium tuberculosis)は、ESX-1と呼ばれるタンパク質分泌系を使って、宿主防御機構を無効化する病原性因子を排出する。ESX-1は感染早期に病原性を発揮するために重要であることが知られているが、これがどのように制御されているかはよくわかっていない。今回、結核のマウスモデルでの研究から、結核菌がそれ自身の活性化因子を排出することが明らかになった。この因子は、EspRと呼ばれるDNA結合型転写因子で、ESX-1の正の制御因子として機能する。ESX-1の分泌するタンパク質のいくつかは現在進行中のワクチン臨床試験で主要な抗原として使用されているので、この研究はワクチン開発に影響を与える可能性がある。

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