Nature ハイライト

薬理学:部分アゴニストが働く様子

Nature 454, 7205

部分アゴニストは、薬理学ばかりでなく臨床においても使われており、穏やかな反応が必要な際に出番が回ってくる。部分アゴニストは受容体に結合して活性化させるが、引き起こす反応は完全アゴニストに比べて弱い。リガンドで活性化されるイオンチャネルに作用する部分アゴニストに関しては、チャネル開閉のコンホメーション変化の誘導が単に非効率的なのだろうと、50年にわたって考えられてきた。タウリンとテトラメチルアンモニウムという、ニコチン性受容体の2種類の部分アゴニストの研究で、これらのアゴニストは受容体に結合しさえすれば、チャネル開口に関して完全アゴニストと同じくらい有効であることが明らかになった。部分アゴニストに対する反応を制限しているのは、チャネルがまだ閉じているときに起こる早期のコンホメーション変化(フリッピング)である。これは、構造研究の解釈や治療用の部分アゴニストの設計にかかわってくる。

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