Nature ハイライト 遺伝:DNAメチル化の地図 2008年8月7日 Nature 454, 7205 DNAのメチル化は、単一のDNA配列から異なる遺伝子発現パターンを生み出す重要なエピジェネティック修飾機構で、正常な発生に必須であり、その機能不全はがんやその他の異常の原因となることがある。今回、単一分子ベースの塩基配列解読法と組み合わせたハイスループットの重亜硫酸ナトリウムを使うゲノム解読法を用いて、胚性幹細胞やそれに由来するさまざまな種類の細胞におけるDNAメチル化地図が、ヌクレオチドレベルの分解能で作製された。この地図によって、例えば胚性幹細胞が成熟して神経細胞になる場合など、細胞の分化につれてメチル化が変化する特異的なゲノム部位が明らかになる。もっと一般的には、この方法は発生生物学やがん研究、再生医学に関係する細胞集団のエピジェネティックなプロファイリングを行う上で有用となるだろう。 2008年8月7日号の Nature ハイライト 医学:模範解答 細胞:結核菌の自己活性化 薬理学:部分アゴニストが働く様子 細胞:生命の新たな始まり 宇宙:銀河の暗黒物質の分布 地球:地球内核が東半球と西半球で異なる理由 進化:目新しい機能を進化させる 遺伝:DNAメチル化の地図 感覚:体温調節 目次へ戻る