Nature ハイライト 宇宙:過去から届いた爆発波 2008年9月11日 Nature 455, 7210 1843年に激しく爆発したことが観測されたりゅうこつ座イータ星(η Car)は、典型的な高輝度早期変光星(LBV)である。LBVは、超新星爆発を起こした超大質量星が、おそらく崩壊する途中で、その質量の多くを放出してできる天体だが、LBVの爆発の原因は不明である。N Smithは今回、η Carの周囲に、これまで観測されたどのようなものよりも速く、非常に高速で運動する核反応生成物質を観測したことを報告している。高速運動するこの物質は、19世紀に観測された爆発現象のほぼ2倍の運動エネルギーをもち、当初の爆発で放出された爆発波が現在、大量の放出物の先のほうへと伝播中であることを示している。その結果として、η Carの外殻は、低エネルギーの超新星残骸と似たものになっている。 2008年9月11日号の Nature ハイライト 工学:水を吸い上げる合成樹木 宇宙:ガンマ線バーストを広い波長域で見る 宇宙:過去から届いた爆発波 環境:古い森を伐採するなかれ 地球:上昇するマグマ溜まり 進化:より現実的な微生物モデル 脳:自信のほどを算定チュー 医学:統合失調症につながる遺伝的変異 目次へ戻る