Nature ハイライト 脳:自信のほどを算定チュー 2008年9月11日 Nature 455, 7210 判断を下す際、最終選択には多くの要因が影響するが、その中には決定の正しさがどの程度かという「信頼度」が含まれる。従来、そうした「メタ認知」は自己意識の証拠であり、霊長類にしかないものと考えられてきた。しかし、今回Kepecsたちは、ラットも難しい知覚判断を行うときには、決定への信頼度を計算して使っているらしいことを明らかにした。2つの匂いを混ぜて、どちらが強いかをラットが正しく判定すれば報酬が得られるようにした。そして、成分の混合比を変えて決定の難度を調整できるようにしておく。脳の眼窩前頭皮質のニューロンは、判定が易しいときより難しいときにずっと強く発火した。このことは、信頼の度合いが意思決定過程の基本的かつ広汎な部分である可能性を示唆している。 2008年9月11日号の Nature ハイライト 工学:水を吸い上げる合成樹木 宇宙:ガンマ線バーストを広い波長域で見る 宇宙:過去から届いた爆発波 環境:古い森を伐採するなかれ 地球:上昇するマグマ溜まり 進化:より現実的な微生物モデル 脳:自信のほどを算定チュー 医学:統合失調症につながる遺伝的変異 目次へ戻る