Nature ハイライト

医学:統合失調症につながる遺伝的変異

Nature 455, 7210

統合失調症などの精神疾患の遺伝学は複雑で解明があまり進んでおらず、生殖率の低下によりリスク対立遺伝子に負の選択圧がかかることで、研究がさらに困難になっている。現在までに、統合失調症と結びつくコピー数変動がいくつか見つかっているが、研究の規模は比較的小さかった。今回、2つの国際コンソーシアムが別々に行った、数千名の患者と対照被験者を含む大規模なゲノム全体にわたる解析により、既に同定されている遺伝子座が確認され、また新規の関係も明らかになった。SGENEコンソーシアムなどによる共同研究では、de novoに自然発生した、第1染色体と第15染色体のコピー数変異体が報告された。国際統合失調症コンソーシアムによる研究では、第1、第15染色体における欠失がやはり報告され、それに加えて、ゲノム中でのコピー数変異の全体的な頻度の上昇も明らかにされた。

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