Nature ハイライト 工学:電場で磁化を操る 2008年9月25日 Nature 455, 7212 従来の半導体デバイスでは、電場によって導電率が制御される。データ処理能力と不揮発性メモリ機能を兼ね備えたデバイスを可能にするような機能性を付与するために、磁化と同様に電場で磁化を制御する方法の発見に強い関心が寄せられている。このような制御は、磁気ひずみ(機械的なひずみによって誘発される磁化の変化)を用いることで間接的には実現されている。しかし、この方法は実用化には適していない。今回、千葉大地(科学技術振興機構、東北大学)たちは、直接的な制御方法を実証した。彼らは、強磁性半導体(Ga,Mn)Asの磁気異方性が電荷キャリア密度に依存し、電場を用いてこのパラメーターを変化させられることを見いだしたのである。つまり、印加電場を変化させることによって、磁化の安定方向を切り替えることが可能なのだ。 2008年9月25日号の Nature ハイライト 発生:力を合わせてRNAiを制御 宇宙:マグネターから発生するフレア 工学:電場で磁化を操る 気候:北大西洋の流れは安定している 考古:酪農の起源 免疫:生涯働き続けるインフルエンザ抗体 細胞:有毛細胞を作り出す 細胞:ループを保つクロマチン 目次へ戻る