Nature ハイライト 考古:酪農の起源 2008年9月25日 Nature 455, 7212 家畜を殺さずに得られる乳、毛、牽引力などの「二次的」な産物の利用は、農業の発達において重要な進歩の1つであった。しかし、そうした産物が利用されるようになったのは、動物を食用とするために飼育するようになって間もなくだったのか、それとも一部の専門家が考えるように、食用目的の飼育開始からさらに数千年後のことだったのかは、はっきりわかっていない。ウシ、ヒツジ、およびヤギは、紀元前8千年紀には飼育されていた。これまで、乳の利用を明確に示す最古の証拠は紀元前5千年紀後半のものであった。今回、近東からバルカン半島にかけての遺跡から出土した2,200点を超える陶器の有機物残渣の分析により、最初の乳利用は紀元前7千年紀にさかのぼることになった。乳利用が特に重要であったのは現在の北西トルコで、この地域の環境条件はウシに特に適していたと考えられる。 2008年9月25日号の Nature ハイライト 発生:力を合わせてRNAiを制御 宇宙:マグネターから発生するフレア 工学:電場で磁化を操る 気候:北大西洋の流れは安定している 考古:酪農の起源 免疫:生涯働き続けるインフルエンザ抗体 細胞:有毛細胞を作り出す 細胞:ループを保つクロマチン 目次へ戻る