Nature ハイライト

免疫:SAPが減ると抗体産生がへたばる

Nature 455, 7214

X連鎖リンパ球増殖症は、SAP(signalling lymphocyte activation molecule-associated protein)の欠陥によって引き起こされる致死的な免疫不全である。SAPをもたない個体やそれに対応する遺伝子欠損マウスでは、リンパ節中で抗体の親和性が成熟する場である胚中心が形成されない。H Qiたちは、標識した細胞を組織中で追跡する蛍光顕微鏡の一種である生体内二光子イメージング技術を使って、SAP欠損T細胞が抗原特異的B細胞と相互作用して、こうしたB細胞の分化を補助することができず、また胚中心へも動員されないことを明らかにしている。この研究により、SAPを欠損している患者が抗体を作ることが困難である理由が説明され、また、T細胞とB細胞の細胞間のコミュニケーションに関する知見が得られる。

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