Nature ハイライト

免疫:耐性菌に抵抗する

Nature 455, 7214

抗生物質耐性菌が、抗生物質による治療を受けている患者にうまく感染できるのは、どういうわけなのだろう。今回、これまで知られていなかった要因が報告された。広域抗生物質バンコマイシンによる治療は、腸の自然免疫系を不全状態にし、これによって耐性菌による感染が増加するのである。抗生物質を投与されたマウスでは、抗菌タンパク質RegIIIγの腸での発現が抑制された。RegIIIγは、入院患者が感染することが多いバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の感染防御に非常に有効である。したがって、リポ多糖の経口投与など、このRegIIIγタンパク質の濃度を上昇させるような治療は、広域抗生物質による治療を受けている患者に役立つかもしれない。

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