Nature ハイライト 宇宙:観測され始めた遠方の電波ハロー 2008年10月16日 Nature 455, 7215 次世代電波望遠鏡は、従来にない分解能と感度をもって電波の低周波数帯の宇宙を観測し、事実上未知の研究領域を開拓することになるだろう。低周波数帯で新しい種類の銀河団が発見され、こうした望遠鏡を使って見つかりそうな現象の一端を垣間見ることができるようになった。インドのプネーのすぐ北に設置されている巨大メートル波電波望遠鏡(GMRT)を使った詳細な観測で、合体しつつある銀河団アベル521に付随する低周波数帯の電波ハローが明らかになった。このハローは、極めて急峻な電波スペクトルをもっているので、他の既知のハローすべての観測に使われてきた周波数である1.4 GHzでは検出が難しい。このスペクトルは、乱流による加速機構の裏付けとなるもので、このことからすると、宇宙の多くの電波ハローは主に低周波数帯で放射をしていると考えられる。 2008年10月16日号の Nature ハイライト 進化:四肢動物に至る「点と線」 医学:ALKが神経芽細胞腫を引き起こす 宇宙:観測され始めた遠方の電波ハロー 物性:高温超伝導体が示す金属の性質 工学:ボトムアップ式で回路を作る 地球:始生代のマントルは高温だったらしい 進化:1人よりペアで協力したほうが得 細胞:スプライシングで大違い 目次へ戻る