Nature ハイライト 生理:アンモニアを取り除く 2008年11月20日 Nature 456, 7220 血液型抗原(RHCEとRHD)などのRhesus(Rh)因子と、微生物のアンモニウム輸送体の塩基配列とは遠い関係があることがわかっており、この意外な発見がヒントになって、Rh因子には未知の生物機能があるのではないかと考えられていた。Biverたちは今回、マウスで腎臓のRhcg因子を欠失させると、アンモニウム(アンモニウムイオンとアンモニアの合計)の排出が阻害され、酸ストレスへの対応能力が低下したことを報告している。また、Rhcgは精巣上体液の恒常性維持にも必要で、機能しなくなると雄の生殖能力に明らかな悪影響がある。これまでは、集合管上皮を通過するアンモニア輸送は脂質相の拡散のみによって起こると考えられてきたが、今回の結果はこれを否定するもので、Rhcgが腎臓と雄の生殖器官の両方でアンモニウムの処理とpH恒常性に関与していることが明らかになった。 2008年11月20日号の Nature ハイライト 生理:アンモニアを取り除く 細胞:成人の精巣幹細胞 細胞:やっと見つかった哺乳類のホリデイジャンクション解離酵素 宇宙:高エネルギー宇宙線 物理:超伝導:ありそうもないペア 気候:大西洋の海洋循環は温室効果ガスに影響を及ぼす 遺伝:マンモスのゲノミクス 視覚:進化してきた眼 目次へ戻る