Nature ハイライト 物理:超伝導:ありそうもないペア 2008年11月20日 Nature 456, 7220 大部分の超伝導体では、抵抗を伴わない伝導を引き起こす原因となる電子のペア形成が、固体結晶の格子振動によって駆動される。しかし電子を結合する「糊」が、これと全く異なる起源、すなわち、スピンあるいは電荷の量子ゆらぎから生じると考えられている別の超伝導材料が存在する。このようなペアリング機構を、普通では考えられないほどの「荒っぽさ」で一般化した例が、非従来型の超伝導体CeRhln5で見いだされた。この機構では、スピンと電荷の不安定性が力を結びつける。この密接に結びついたゆらぎは、ペアになっていない常伝導状態電子の流れを大きく乱すが、超伝導ペアを発生させるのに必要な量子力学的糊としても働いている。 2008年11月20日号の Nature ハイライト 生理:アンモニアを取り除く 細胞:成人の精巣幹細胞 細胞:やっと見つかった哺乳類のホリデイジャンクション解離酵素 宇宙:高エネルギー宇宙線 物理:超伝導:ありそうもないペア 気候:大西洋の海洋循環は温室効果ガスに影響を及ぼす 遺伝:マンモスのゲノミクス 視覚:進化してきた眼 目次へ戻る