Nature ハイライト 細胞:成人の精巣幹細胞 2008年11月20日 Nature 456, 7220 成人精巣の細胞は正常な発生の間に分化能が制限されて、配偶子を作り出すようになるが、適切な条件下では多能性となる可能性があることを示す証拠が複数得られている。今回、その条件が明らかにされた。Conradたちは、成人睾丸の未成熟なヒト生殖細胞から、ヒト胚性幹細胞と全く同じように操作・分化が可能な細胞株を樹立した。この細胞から、インスリン分泌細胞、あるいは、筋系、骨系、神経系の細胞に似た細胞株を安定に分化させることができる。マウスの皮下にこの細胞を移植すると奇形種が形成されたことは、多能性のさらなる証拠であり、この細胞が再生医療に使える可能性を示している。 2008年11月20日号の Nature ハイライト 生理:アンモニアを取り除く 細胞:成人の精巣幹細胞 細胞:やっと見つかった哺乳類のホリデイジャンクション解離酵素 宇宙:高エネルギー宇宙線 物理:超伝導:ありそうもないペア 気候:大西洋の海洋循環は温室効果ガスに影響を及ぼす 遺伝:マンモスのゲノミクス 視覚:進化してきた眼 目次へ戻る