Nature ハイライト 宇宙:高エネルギー宇宙線 2008年11月20日 Nature 456, 7220 ATIC(Advanced Thin Ionization Calorimeter)宇宙線電子観測では、複数のヘリウム気球がいっせいに、15日間にわたり南極上空高度35 km以上に揚げられた。宇宙空間への入り口にまで達したこれらの気球により、300〜800 GeVの範囲のエネルギーをもつ銀河系宇宙線電子が過剰に存在することが見つかった。この結果は、高エネルギー電子の発生源が近傍にあることを示すものだ。その発生源は未発見の天体で、電子を高エネルギーに加速しているのかもしれないし、あるいは、これらの電子は「カルーツァ・クライン」暗黒物質の対消滅によって生じている可能性もある。後者は、余剰次元のコンパクト化を伴う宇宙モデルによる一風変わった予測である。 2008年11月20日号の Nature ハイライト 生理:アンモニアを取り除く 細胞:成人の精巣幹細胞 細胞:やっと見つかった哺乳類のホリデイジャンクション解離酵素 宇宙:高エネルギー宇宙線 物理:超伝導:ありそうもないペア 気候:大西洋の海洋循環は温室効果ガスに影響を及ぼす 遺伝:マンモスのゲノミクス 視覚:進化してきた眼 目次へ戻る