Nature ハイライト
Cover Story:山脈を動かす:山脈を削ったり高くしたりする氷河
Nature 467, 7313
氷河浸食は、山脈高度の制御に重要な役割を果たすと考えられている。氷河は強力な浸食作用因子で、氷河による削剥として知られる過程により、活動的な山脈が永久氷河の高度を大きく超えて高くなることを妨げていると一般に考えられている。しかし、新生代後期に氷河化していたパタゴニア・アンデス山脈で得られた浸食パターンと気候データの研究から、氷河は山脈をより高くするという逆の効果ももっている可能性があることが示唆されている。このような極域では、氷河は保護層として働いて、隆起する山脈を浸食から保護し、氷河による削剥が起こった場合に予測される高度よりもはるかに高い高度まで到達させていたことがわかった。表紙は、ラグーナ・トーレから見た標高3,130メートルのセロ・トーレの山頂(Letter p.313, N&V p.281)。
2010年9月16日号の Nature ハイライト
細胞:過去を引きずる幹細胞
細胞:ミトコンドリアにおけるCa2+取り込み
物理:ひねりのきいた電子ビーム
工学:グラフェントランジスタ
気候:極低気圧の発生頻度が少なくなる?
医学:βサラセミアの遺伝子治療に成功
細胞:バランスを保つ神経幹細胞
細胞:白血病とDNA修復の結びつき
生化学:ギ酸を利用した代替エネルギー