Nature ハイライト 材料:微小スケールでの結晶変形 2010年1月21日 Nature 463, 7279 結晶が変形するときに働く主な機構は、通常の転位塑性と変形双晶形成の2つである。転位塑性は結晶のサイズに依存することが知られており、そのため、ナノスケールで試料強度に影響を与える。一方、変形双晶形成のサイズ依存性は、これまで調べられていない。J Liたちは、マイクロ圧縮およびナノインデンテーション(押し込み)実験により、マイクロメートルサイズより小さい結晶では、変形双晶形成が完全に抑制されて通常の転位塑性に移行し、これが唯一の変形モードとなることを示している。この原因は、変形双晶形成が小さな結晶サイズでは機能しない集団現象であるからかもしれない。この発見は、マイクロスケールで材料の機械的特性を操作する新しい方法への道を開くと考えられる。 2010年1月21日号の Nature ハイライト 細胞:腫瘍発生のマスター因子 合成生物学:合成系による同調 宇宙:揺さぶられて変質する小惑星 材料:微小スケールでの結晶変形 材料:ヒドロゲルの手堅い進歩 気候:アメリカのオゾン取り込み 進化:自然でない選択? 心理:思い込みで促される行動 目次へ戻る