Nature ハイライト 宇宙:決着のつかない宇宙線の起源 2009年8月6日 Nature 460, 7256 宇宙線は、1912年の発見以来、その起源を説明しようとする理論家たちを悩ませてきた。宇宙線の実体は、遠方で発生する極めて高エネルギーの現象によって、ほとんど光速にまで加速された素粒子やイオンの流れである。銀河系外宇宙線は、超大質量ブラックホールを宿す遠方の活動銀河によって生成されているのかもしれない。Progress(www.nature.com/nature/focus/yearofastronomyの世界天文年特集から入手できる)では、Y Buttが、「銀河系」宇宙線についての現在正しいとされている説を批判している。銀河系宇宙線の粒子の流れは銀河系外のものより低エネルギーで、我々の銀河系の強力な超新星に付随する衝撃波の中で加速されるという考え方は広く受け入れられている。Buttは、この超新星残骸起源説は論証されておらず、宇宙線を加速する個々の場所が存在するという考えにも欠陥があると考えている。銀河系全体や「スーパーバブル」とよばれる構造が関係しているのかもしれない。 2009年8月6日号の Nature ハイライト 宇宙:決着のつかない宇宙線の起源 細胞:筋肉細胞の運命と可塑性 宇宙:もっと小さかった大質量銀河 宇宙:火星でのメタン生成の謎 環境:先カンブリア時代の緑化 考古:初期の音楽活動 人口統計学:世界人口の動向 医学:統合失調症のリスク因子 目次へ戻る