Nature ハイライト 宇宙:もっと小さかった大質量銀河 2009年8月6日 Nature 460, 7256 宇宙で最も古くて明るい銀河は、これまで考えられていたよりもコンパクトで、現在の楕円銀河と同程度の恒星質量がもっとぎっしり詰まっている可能性のあることがわかり、銀河進化に関連したいくつかの仮説の再評価が促されている。そうだとすると、例えば大質量銀河は、過去100億年程度の間に5倍の大きさに成長したということになる。こうした初期銀河が、最近の測光研究が示唆する程度の小ささだとすると、銀河を構成する星は、フィギュアスケートの選手が腕を体に引きつけて回転速度を上げるように、現在の銀河にある同質量の星よりずっと高速で運動しているはずだ。このことは検証可能であり、赤方偏移(z = 2.186)にある大質量のコンパクト銀河を新たに観測した結果は、大質量で小さいサイズという組み合わせを裏付けている。100億年前の大質量銀河は、現在我々が見ているものとは大きく異なっていたようだ。 2009年8月6日号の Nature ハイライト 宇宙:決着のつかない宇宙線の起源 細胞:筋肉細胞の運命と可塑性 宇宙:もっと小さかった大質量銀河 宇宙:火星でのメタン生成の謎 環境:先カンブリア時代の緑化 考古:初期の音楽活動 人口統計学:世界人口の動向 医学:統合失調症のリスク因子 目次へ戻る