Nature ハイライト

細胞:筋肉細胞の運命と可塑性

Nature 460, 7256

マウス胚ではmiR-145とmiR-143という2つのマイクロRNAが、多能性心臓前駆細胞に存在することが示されている。miR-145は、成体繊維芽細胞がミオカルディン(myocardin)によって誘導される再プログラム化により平滑筋細胞となるのに必要であり、神経堤幹細胞の血管平滑筋細胞(VSMC)への分化を誘導するにはmiR-145だけで十分である。つまり、miR-145とmiR-143は、転写因子ネットワークを標的として、平滑筋細胞の分化を促進し、その増殖を抑制している。これらの知見は、miRNAが特定の細胞系列への分化を指示するスイッチとして機能しうることの証拠である。さらに、VSMCの分化した表現型と増殖表現型の切り替えは血管の閉塞に関係があるので、miR-145とmiR-143は、VSMCのこれらの表現型の間の調節を行っていることで、多くの血管系疾患に関連している可能性がある。

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