Nature ハイライト 細胞:塩の味 2010年3月11日 Nature 464, 7286 哺乳動物は高濃度の塩は嫌がる傾向があるが、低濃度のナトリウムには引き寄せられる。マウスでは、低濃度の塩に引きつけられる行動はイオンチャネル阻害物質のアミロライドによって遮断できる。今回、味覚受容ニューロンでアミロライドの標的であるナトリウムチャネルのENaCを遺伝子操作により失わせたマウスでは、塩の感知とナトリウムへの味覚応答の両方が失われていることがわかった。したがって、塩の感知は、甘味、酸味、苦味、うま味というほかの4つの味覚と同じく、専用の味覚受容細胞によって行われていることになる。だが、霊長類でのナトリウム感知はアミロライドの影響を受けないため、今回の結果が、我々人間の塩味を感知する能力とどのように関係するのかはまだわからない。 2010年3月11日号の Nature ハイライト 医学:感染を阻止 医学:HIVの複雑な免疫学 医学:レトロウイルスのインタソーム 発生:片身替りの鳥 遺伝子:ピロリ菌のトランスクリプトーム 宇宙:一般相対性理論の検証 物理:元の形に戻る高分子 大気:対流圏でも起きている塩素汚染 発生:雌だけの種 細胞:塩の味 目次へ戻る