Nature ハイライト

細胞:細胞の運命を決めるバランス関係

Nature 463, 7281

胚性幹細胞(ESC)の分化には、自己複製の抑制と特異的な分化経路の活性化の両方が必要である。細胞運命の重要な調整役として最近浮上してきたのが、マイクロRNA(miRNA)とよばれる小型の非コードRNAである。今回、let-7とよばれる大型のmiRNAファミリーが、ESCでの自己複製プログラムの抑制に関与していることが明らかになった。この自己複製の抑制は、ESCの細胞周期を調節するESC調節(ESCC)miRNAによって逆転できることから、let-7 miRNAとESCC miRNAの相互作用が、細胞の運命を決定付ける機構として働いていると考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度