Nature ハイライト

地球:急速な風化は実際にはなかった

Nature 465, 7295

地質学的な浸食の記録は、過去500万年間に全球の堆積速度が4倍に上昇したことを示しているという報告から、この増加に対する全球的な原因が探されるようになった。これまで提案されている説明には、山脈形成速度の増加や全球の寒冷化といったものがある。今回J WillenbringとF von Blanckenburgは、元のデータセットを再解析し、ベリリウム同位体比の海洋記録を用いて過去の浸食速度と岩石風化の間接的尺度を得た。過去1,200万年間には、全球的に浸食が増加したことや、風化した物質が海洋中で一時的に急増したことを示す明確な証拠が見つからなかった。彼らは、新生代の全球的寒冷化は別の原因で起きており、実際に起きた山脈の形成は、全球的には浸食や風化のフラックスにはほとんど影響を及ぼさなかったと考えている。

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