Nature ハイライト

進化:母バチの献身が子の生存率を上げる

Nature 428, 6983

社会性をもたないジガバチ類は長期にわたって子に餌を与え、子の生存のチャンスを高めている。 長年、生物学者たちはなぜ社会的動物の多くは子育てを共同で行うのかという問題に頭を悩ませてきた。ある説によれば、寿命が短いわりに子育て期間が相対的に長い動物は、子育てが完了する前に自分が死んでしまう見込みが高く、そのため親が1個体だけで子育てするよりも「保育所」で子育てしたほうが種の生き残りという目的にかなうからだという。 J FieldとS Braceは、通常は資源の大幅な消耗につながると考えられる長期の子育てがなぜそもそも社会性のない動物で進化した可能性があるのかを説明している。 社会性のないジガバチ科のAmmophila属で実験したところ、長期の給餌によって子は寄生生物に感染しにくくなり、長期の子育てによるマイナス点がこれで帳消しにできることが明らかになった。また、子育てが長期にわたると、母親は自分の産んだ卵や幼虫が感染したかどうかに気づきやすくなるので、それ以上むだな奉仕をすることなく巣を放棄できる。

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