Nature ハイライト 構造生物学:気孔の陰イオンチャネルSLAC1の構造 2010年10月28日 Nature 467, 7319 SLAC1は最近同定された陰イオンチャネルで、植物の葉にあって膨圧を制御し、それにより二酸化炭素やオゾン、乾燥などの環境要因に応じて起こる気孔の開口を調節している。今回、SLAC1の細菌ホモログである、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)由来亜テルル酸塩耐性タンパク質TehAのX線結晶構造が決定された。また、この構造にヒントを得た変異体作製によって、チャネルのコンダクタンス特性が解析された。チャネル小孔の静電的特性から、種々の陰イオンに対する選択性は、イオンから水を除くエネルギー損失の大きさに主によっているらしいことが示唆される。この研究と、細菌タンパク質の機能に関して別途行われた研究から、SLAC1とTehAは、環境刺激により制御される選択的陰イオンチャネルの大きなファミリーを代表していると考えられる。 2010年10月28日号の Nature ハイライト 構造生物学:気孔の陰イオンチャネルSLAC1の構造 宇宙:最も重い中性子星の発見で除外される「エキゾチックな」非核子成分 物性:スピントロニクス・キュービットの有望株 地球:海洋リン酸塩の地質史 進化:アフリカ類人猿の初期の多様性 脳:視覚型の脳–マシンインターフェース 医学:膵臓がんの時間経過 細胞:細胞誘導に働くプレキシンシグナル伝達 目次へ戻る