Nature ハイライト

構造生物学:気孔の陰イオンチャネルSLAC1の構造

Nature 467, 7319

SLAC1は最近同定された陰イオンチャネルで、植物の葉にあって膨圧を制御し、それにより二酸化炭素やオゾン、乾燥などの環境要因に応じて起こる気孔の開口を調節している。今回、SLAC1の細菌ホモログである、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)由来亜テルル酸塩耐性タンパク質TehAのX線結晶構造が決定された。また、この構造にヒントを得た変異体作製によって、チャネルのコンダクタンス特性が解析された。チャネル小孔の静電的特性から、種々の陰イオンに対する選択性は、イオンから水を除くエネルギー損失の大きさに主によっているらしいことが示唆される。この研究と、細菌タンパク質の機能に関して別途行われた研究から、SLAC1とTehAは、環境刺激により制御される選択的陰イオンチャネルの大きなファミリーを代表していると考えられる。

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