木星は、劇的な気候変化を被ることになりそうだ。木星大気は、長期間持続する台風のような約80個の渦が特徴で、最大のものは1665年に初めて観測された大赤斑である。3個の白斑も1930年代に初めて観測され、そのうち2個は1997年から2000年の間に突如消滅した。P S Marcusが完成したコンピューター・シミュレーションでは、この白斑の消滅が反復的な気候周期の一部に過ぎず、この気候周期が原因で木星の大部分の渦が10年以内には消滅することが示されている。これによって、赤道付近で10℃の温暖化と両極では同程度の寒冷化が引き起こされる可能性があり、この温度変化により新たな渦を生成するのに十分な大気の不安定化が生じるだろう。そして発生した渦が消滅するには、さらに60年程度が必要である。