Nature ハイライト 生態:世界共通のパターンを示す植物の葉の戦略 2004年4月22日 Nature 428, 6985 世界中の葉のある植物は、「葉の経済学的性質」について見ると、不経済な長寿命の葉から費用のかからない短寿命の葉に至る1つのスペクトルが存在することが、175ヶ所の地点での2,548種に及ぶ調査の結果明らかになった。植物は、生活のタイプや気候とは関係なく、どれもがこのパターンに収まるらしい。I J Wrightたちは今回、葉の重量、寿命、化学組成、太陽光を植物に役立つ化合物に変換する能力に関するデータをまとめた。この調査は、地球上の葉を持つ植物種のほぼ1%を対象としており、植物によっては投資の返済に長期間を要する高品質の葉を作るが、その一方で、低品質の葉を作って投資を速やかに返済する植物もあることが明らかになった。このような「葉の世界規模での経済学的スペクトル」は、葉の茂る植物を含む生態系のすべてに存在するとWrightたちは付け加えている。それは、植物がスペクトルのどこに位置している場合でも同じ環境内に生存可能であり、またスペクトルに適合するような戦略はさまざまな気候条件下で有効らしいからだと彼らは考えている。 2004年4月22日号の Nature ハイライト 発生:男性は要らない? 医学:HIV/ポリオワクチン説を否定 物理:コンピューターの速さの限界 生態:世界共通のパターンを示す植物の葉の戦略 宇宙:木星の渦は変化する 生態:腸内寄生虫の相克 目次へ戻る