Nature ハイライト

物理:コンピューターの速さの限界

Nature 428, 6985

ハードディスクにデータをどのくらいの速さで書き込むことができるか、その理論的な上限が与えられた。限界といってもその速度は、最新の磁気デバイスで得られる速さの1,000倍以上であるらしい。 J Stöhrたちが、光速に近いスピードで運動する密に詰まった電子束を、コンピューターのデータ保存によく用いられる磁気記録材料の一片に照射して、データを記録するための極めて強力で非常に短い磁場パルスを作った。スタンフォード線形加速器センターで行われたこの実験で、わずか2.3ピコ秒(1ピコ秒は10−12秒)だけしか持続しないパルスでは、コンピューター情報の1「ビット」を確実には記録できないことが示された。これは、データ処理には究極の限界速度があり、毎秒4,350億ビットを超えられないことを意味する。 C H BackとD Pesciaは、「どんなに短くて強い磁場パルスができても、磁気記録の速さをいくらでも上げられるわけではない」とNews and Viewsで述べている。

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