Nature ハイライト

政策:新型核爆弾の有効性に疑問符

Nature 428, 6986

二次損害を極力抑えるより有効な核兵器に期待を寄せた米国政府による提案は実現性に乏しいのではないかという意見がCommentaryで述べられている。 国防総省の国防科学委員会(DSB)から最近発表された報告書には、このような兵器の必要性が謳われており、爆発後に空から降る死の灰の量を減らすか全くなくす新型の地下施設破壊爆弾(バンカーバスター)の開発に関する提案が支持されている。しかしDSBを始めとする諸機関は、このような兵器が実現する可能性を過大に評価しているとM A Leviは述べている。地表を貫通するタイプの核兵器は爆発後に大きな穴を残し、地下における死の灰を閉じこめることは困難か不可能である。さらにDSBは必要とされる爆発の規模を過小評価していて、投下場所の地質学的側面の重要性を正当に考慮していないのではないかと指摘している。 政策立案者は、報告書に記載された勧告を実施する際には慎重を期すべきであるとLeviは述べている。核科学者は長年にわたり、地表を貫通するタイプの兵器を威力を保ちつつクリーンなものとする案を練ってきた。そのほとんどは実現の見込みがないが、それにも関わらず大目に見られがちであると付け加えている。

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