近傍銀河の中心にあるブラックホールを覆い隠している塵の雲は、ドーナツ形をしているようだ。この雲の内側は、内部のブラックホールを取り囲む強力な放射によって700℃以上に加熱されているが、ドーナツの外側は50℃にまで下がるという。 W Jaffeたちは、チリにあるヨーロッパ南天文台の超大型望遠鏡で構成する干渉計（VLTI)のデータを用いて、最近傍の活動銀河NGC 1068の中心にあるブラックホールを取り囲む塵が出す赤外放射を調べた。この観測結果により、活動銀河の中心から莫大なエネルギーを放出する、謎に満ちたこのような天体をもっとよく理解できるようになるだろう。 News and ViewsでJ Krolikは、「大部分の活動（銀河）核が、観測の難しい赤外光でしか見えていないとすると、それらの総エネルギー量は、宇宙の全恒星から放出される総量に匹敵するほど大きいかもしれない」と語っている。
