Nature ハイライト 医学:心臓発作の遺伝的引き金 2004年5月6日 Nature 429, 6987 1個の重要な遺伝子に塩基1個の変異が起こると、心臓発作の起こりやすさに影響があらわれる場合があるという。心臓発作は、世界の主な死因の1つとなっている。冠動脈が破裂すると、さまざまな炎症介在因子が放出されるが、リンホトキシン-α(LTA)もそうした因子の1つである。田中敏博たちは、心臓発作を起こした患者では、LTAに結合するタンパク質ガレクチン-2の遺伝子に、特異的な変異が1ヶ所ある確率が高いことを発見した。ガレクチン-2の変異によって分泌されるLTAの量が変化し、炎症過程に影響が出るのだろうと著者たちは推測している。この研究はガレクチン-2が心臓発作の危険因子であることを示すもので、これによって心筋梗塞の原因の解明がさらに進むだろうと、著者たちは述べている。 2004年5月6日号の Nature ハイライト 医学:心臓発作の遺伝的引き金 脳:大人になっても脳は環境で変わる 宇宙:塵のドーナツが暴くホットな秘密 地球:地球温暖化論争が解決される? :圧力下で決まる中心核 進化:モテる雄コオロギの息子はモテるが、娘はいまいち 目次へ戻る