Nature ハイライト

構造生物学:光合成の中心

Nature 473, 7345

光合成植物や藻類、シアノバクテリアに見られる光化学系II(PSII)は、光エネルギーを利用して一連の電子伝達反応を駆動し、水を分解して分子状酸素を生成する、大型の多サブユニット酵素である。PSIIの分解能が中程度の構造はいくつか報告されているが、Mn4CaO5クラスターからなる触媒中心の解析は、データ収集中にX線によって生じる構造の歪みが原因で難しいことがわかっていた。この障害が今回克服され、梅名泰史たちは分解能1.9 ÅでのPSIIのX線構造を明らかにしている。これは、タンパク質サブユニットの割り振りや、Mn4CaO5クラスターの幾何学的配置を明らかにするのに十分な分解能である。

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