Nature ハイライト

発生:発生スイッチとしてのDISC1タンパク質

Nature 473, 7345

統合失調症の感受性因子であるDISC1は、発生中の大脳皮質に非常に多く存在しているため、この時期に重要な役割を担っていると考えられている。澤明たちは今回、分裂を続けている神経前駆細胞を分裂が終了した遊走するニューロンへと移行させる「分子スイッチ」として働く、DISC1中の特異的なリン酸化部位を見いだした。DISC1は、リン酸化状態に応じてそれぞれ別々のシグナル伝達経路と主に相互作用する。したがって、DISC1は大脳皮質形成でリン酸化状態に応じて2通りの役割を果たしていると考えられる。

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