Nature ハイライト

言語:言語進化に関する第三の理論

Nature 473, 7345

言語の進化の仕方についての二大理論はどちらも、特定の文法構造が広く保存されることを示唆しているが、その理由は異なっている。チョムスキー理論では、そうした文法構造が脳の働き方を反映するためだとし、もう一方のグリーンバーグ理論では、文法構造がほかの構造と論理的につながっているためだとしている。言語どうしの類縁関係に関する確かな情報がない状態で、そうした理論を決定的に検証することは困難だった。今回Dunnたちは、世界に現存する7,000の言語の3分の1以上に対して系統発生解析の手法を用い、語順に着目することにより、外観上最も普遍的な構造は同一語族内の言語間でのみ共有されていることを明らかにした。このことは、前出の2つの理論のいずれでもなく、文化的進化によって言語構造の大部分を説明できることを示唆している。

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