Nature ハイライト

Cover Story:雑音を無視する:自然免疫系が菌類の破片の中の菌類病原体を見分ける仕組み

Nature 472, 7344

侵入してくる微生物は、食細胞と呼ばれる白血球が見つけて取り込む。食細胞がこうしたことを実行するためには、細胞壁断片のような可溶性の微生物由来成分と微粒子状の微生物そのものを見分けなければならない。菌類病原体の侵入を探知する自然免疫受容体であるデクチン1の作用の研究から、デクチン1は可溶性と微粒子状の細胞壁β-グルカンの両方に結合するが、その活性化は、「貪食シナプス」の形成によって菌類の細胞壁と接触した部位に限られることが明らかになった。貪食シナプスは、離れたところの微生物から放出されるリガンドの場合とは全く違うやり方で、微生物表面に結合しているリガンドを特異的に探知する機構のモデルとなる。表紙は、多数の酵母粒子(青色)と結合しているマウス骨髄由来マクロファージ(赤色と緑色)(Letter p.471)。

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