Nature ハイライト

医学:自閉症にかかわるタンパク質

Nature 472, 7344

ゲノム解析研究からは、自閉症スペクトラム障害に関与すると思われる遺伝子候補が多数同定されており、その多くはシナプスタンパク質をコードしている。最も有望な候補遺伝子の1つであるShank3は、グルタミン酸作動性シナプスで重要な役割を果たすシナプス後膜肥厚タンパク質をコードしている。Peçaたちは今回、Shank3欠失マウスは、社会性障害などの自閉症の複数の徴候を示すだけでなく、線条体シナプスおよび皮質線条体回路に異常が生じていることを明らかにしている。この知見は、Shank3がニューロンの結合性にきわめて重要な役割を果たしていること、また自閉症様の行動にこのタンパク質が果たすと思われる役割を説明する作用機序を示している。

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