Nature ハイライト

細胞:新種の免疫調節因子

Nature 472, 7344

核内受容体のRORαおよびRORγt(レチノイン酸受容体関連オーファン受容体αおよびγt)は、インターロイキン17を産生するヘルパーT細胞であるTH17細胞の分化に不可欠である。今回、2つのグループがRORγtの阻害剤を見つけたことを報告している。こういう化合物は自己免疫疾患の治療に使える可能性がある。Huhたちは、昆虫細胞を使ったレポーター系での化合物スクリーニングによって、強心配糖体のジゴキシンとそのさまざまな誘導体がRORγtの転写活性を阻害することを明らかにした。これらの化合物は、RORγtの転写活性阻害という機構を介して、マウスでTH17細胞分化を抑制し、またin vitroでヒトT細胞でのインターロイキン17産生を阻害する。Soltたちは、SR1001と命名された合成リガンドがRORαとRORγtのインバースアゴニストとして機能することを報告しており、in vitroでTH17細胞の分化を防止し、マウスの実験的脳脊髄炎を抑制することを示している。

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