Nature ハイライト 生物工学:天然カフェインレス・コーヒー 2004年6月10日 Nature 429, 6994 カフェイン抜きのコーヒーは世界のコーヒー市場のおよそ10%を占めるが、このカフェインを抜く処理過程で大事な香り成分も抜けてしまう。アラビアコーヒー(Coffea arabica)は世界で最も多く栽培、消費されているコーヒー種だが、カフェインが含まれている。マダガスカル産の野生のコーヒー種からカフェインのない特性を移そうという試みは失敗に終わっているが、たとえ成功してもまずいコーヒーになってしまいそうだ。アラビアコーヒーの天然のカフェインレス変種を見つけ出すことができればこの問題は解決するわけだが、今回P Mazzaferraたちがそれをやってのけた。彼らはBrief Communicationsで、天然にカフェイン含量の少ないエチオピア産のアラビアコーヒー栽培品種を発見したと報告している。この低カフェインの形質は、普通に交配させることで、高品質のコーヒー原料として商業的に生産性の高いアラビアコーヒー系統に導入できるのではないかとMazzaferraたちは考えている。 2004年6月10日号の Nature ハイライト 環境:地域差のある純一次生産利用 物理:怪しい電場の正体を解明 遺伝:素敵なペア 宇宙:共鳴を引き起こす離心率 細胞:適応不能者 生物工学:天然カフェインレス・コーヒー 目次へ戻る