Nature ハイライト 細胞:ナンセンスコドンを「読める」ものにする 2011年6月16日 Nature 474, 7351 リボソームに翻訳停止を伝える3つの「ナンセンスコドン」、つまり「終止コドン」であるUAA、 UAG、 UGAは、いずれも1番目がウリジン残基である。J KarijolichとY-T Yuは、このウリジンを偽ウリジン(Ψ)に変換する異性化により、ナンセンスコドンがin vivoでリボソームにより読まれるようになることを示している。この結果として生じるタンパク質には、特定のアミノ酸が挿入される。ΨAAとΨAGはセリンとスレオニンを、ΨGAはチロシンとフェニルアラニンをコードしているからだ。こういうRNA修飾の生理的役割を示す証拠はまだないが、この方法は遺伝コードを拡張する手段の1つとなる可能性がある。同じようなRNA修飾はまた、in vivoでナンセンスを抑制する手段として、実験的あるいは臨床的に有用となるかもしれない。 2011年6月16日号の Nature ハイライト 遺伝:可能性がさらに広がるノックアウトマウス 構造生物学:糖タンパク質を作る酵素の構造 宇宙:初期宇宙のブラックホール成長を垣間見る 宇宙:ボイジャー1号のゆっくりした「さようなら」 物理:近藤格子でのフェルミオン出現を調べる 医学:自閉症に共通する病因? 医学:細菌が生きていることを示すvita-PAMP 細胞:ナンセンスコドンを「読める」ものにする 細胞:iPS細胞を使った新しい疾患モデル 目次へ戻る