Nature ハイライト

細胞:ナンセンスコドンを「読める」ものにする

Nature 474, 7351

リボソームに翻訳停止を伝える3つの「ナンセンスコドン」、つまり「終止コドン」であるUAA、 UAG、 UGAは、いずれも1番目がウリジン残基である。J KarijolichとY-T Yuは、このウリジンを偽ウリジン(Ψ)に変換する異性化により、ナンセンスコドンがin vivoでリボソームにより読まれるようになることを示している。この結果として生じるタンパク質には、特定のアミノ酸が挿入される。ΨAAとΨAGはセリンとスレオニンを、ΨGAはチロシンとフェニルアラニンをコードしているからだ。こういうRNA修飾の生理的役割を示す証拠はまだないが、この方法は遺伝コードを拡張する手段の1つとなる可能性がある。同じようなRNA修飾はまた、in vivoでナンセンスを抑制する手段として、実験的あるいは臨床的に有用となるかもしれない。

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