Nature ハイライト 構造生物学:糖タンパク質を作る酵素の構造 2011年6月16日 Nature 474, 7351 真核生物の半分以上のタンパク質は糖タンパク質で、オリゴ糖が特定のアミノ酸側鎖に結合している。このような化学修飾の中で最も多く見られるのは、アスパラギン結合型グリコシル化(糖鎖付加)で、これは小胞体に存在する膜タンパク質複合体であるオリゴ糖転移酵素(OST)により触媒される。今回、Campylobacter lari由来の細菌OSTについて、受容体ペプチドと複合体を形成した状態のX線構造が決定された。この構造から、アミド基の窒素の活性化とグリコシル化を解明するための分子基盤が得られ、糖タンパク質や複合糖質治療薬の生産につながる道が開けそうだ。 2011年6月16日号の Nature ハイライト 遺伝:可能性がさらに広がるノックアウトマウス 構造生物学:糖タンパク質を作る酵素の構造 宇宙:初期宇宙のブラックホール成長を垣間見る 宇宙:ボイジャー1号のゆっくりした「さようなら」 物理:近藤格子でのフェルミオン出現を調べる 医学:自閉症に共通する病因? 医学:細菌が生きていることを示すvita-PAMP 細胞:ナンセンスコドンを「読める」ものにする 細胞:iPS細胞を使った新しい疾患モデル 目次へ戻る