Nature ハイライト 遺伝:線形動物が菌叢を避ける仕組み 2011年12月22日 Nature 480, 7378 多くの無脊椎動物と同様、線形動物は、自然免疫反応の厳密性を神経系の可塑性で補うことにより、自己にとって有害な細菌の回避を学習している。D Kimたちは、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)の菌叢に遭遇した天然の線虫(Caenorhabditis elegans)の集団間でこの行動がどのように異なるかを調べ、ある遺伝子がその過程に関与していることを新たに発見した。その遺伝子hecw-1は、E3リガーゼの1つをコードしており、Npr-1神経ペプチドシグナル伝達経路と相互作用する。この種の全ゲノム的技術を用いることによって、自然集団の行動遺伝学の研究がより行いやすくなり、従来の実験室的研究では発見されなかった遺伝子やニューロンが明らかにされている。 2011年12月22日号の Nature ハイライト 医学:がんの能動的免疫療法の成功 宇宙:赤色巨星をうまく受け流した惑星ペア 物理:量子気体における原子ブロッケード 生態:両生類を追い込む3つの脅威 遺伝:線形動物が菌叢を避ける仕組み 医学:マラリア原虫を侵入禁止にする抗体 生理:クリプトクロムはグルココルチコイドの転写を体内時計に合わせて調節する 細胞:ヒストンH2Bへの糖鎖付加修飾 生化学:AcrB薬剤トランスポーターの2つの部位 目次へ戻る