Nature ハイライト 生理:クリプトクロムはグルココルチコイドの転写を体内時計に合わせて調節する 2011年12月22日 Nature 480, 7378 哺乳類の代謝は、24時間、つまり概日性の規則的なパターンに従っている。グルココルチコイドを始めとする主要なホルモン回路は、概日時計と関連づけられているが、その関連の実態はまだよく解明されていない。今回、2つの時計コレギュレーターであるクリプトクロム1および2が、リガンドに依存する形でグルココルチコイド受容体と相互作用して、遺伝子発現および正常な代謝恒常性に影響を及ぼし、結果的にグルココルチコイドに対する転写応答を変化させることが明らかになった。グルココルチコイドは臨床で炎症を抑えるために使用されるが、作用対象が非特異的であることが、種々の有害な副作用につながる。こうした副作用を軽減するには、治療のタイミングの変更や、クリプトクロムを特異的に標的とする物質との併用が役立つかもしれない。 2011年12月22日号の Nature ハイライト 医学:がんの能動的免疫療法の成功 宇宙:赤色巨星をうまく受け流した惑星ペア 物理:量子気体における原子ブロッケード 生態:両生類を追い込む3つの脅威 遺伝:線形動物が菌叢を避ける仕組み 医学:マラリア原虫を侵入禁止にする抗体 生理:クリプトクロムはグルココルチコイドの転写を体内時計に合わせて調節する 細胞:ヒストンH2Bへの糖鎖付加修飾 生化学:AcrB薬剤トランスポーターの2つの部位 目次へ戻る