Nature ハイライト

地球:マントルの極限的条件のモデル化

Nature 481, 7380

地球マントルの極限的条件の再現は難しく、しかも関与する時間スケールが長いため、鉱物の変形機構の室内実験による研究はあまり進んでいない。P Cordierたちは、歪み、圧力、温度の計算に基づくマルチスケール数値モデルを用いて、地球マントルの圧力、温度、歪み速度における酸化マグネシウム(MgO)のレオロジー(すなわち流れ)を評価した。その結果は、きわめて遅い歪み速度は圧力の影響を相殺し、マントルではMgOが大変弱い相となることを立証している。最下部マントルにおいてのみ、圧力の影響が支配的となり、粘性が比較的高くなる可能性がある。この研究は、室内実験で得られたレオロジーデータの外挿に用いる、もっと信頼性の高い手法を期待させるものだ。

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