Nature ハイライト 医学:mTORシグナル伝達の機構 2012年5月3日 Nature 485, 7396 mTOR経路はタンパク質生合成の調節に重要で、多くのヒトがんで活性化されている。今回、mRNA翻訳のmTORによる制御について、リボソームプロファイリングを使って調べた2つの論文が発表された。Hsiehたちは前立腺がんとマウスの前立腺腫瘍では、がん浸潤に関連する複数の遺伝子の翻訳が、4EBP1翻訳抑制因子を介してmTORによって調節されていることを見いだした。現在前立腺がん患者に対する臨床試験が進行中の実験薬INK128は、mTORシグナル伝達を阻害し、マウスモデルでは前立腺がんが浸潤性がんに進行するのを遅らせる。一方、Thoreenたちは、mTORC1キナーゼが4E-BPタンパク質ファミリーを介して、5′末端にオリゴピリミジンモチーフを持つmRNA群を認識し、調節することを明らかにしている。 2012年5月3日号の Nature ハイライト 医学:mTORシグナル伝達の機構 代謝:代謝の時計を合わせる 医学:二重の作用で骨を保護 宇宙:地球の後期重爆撃期の証拠をたどる 物性:新たな準粒子オービトン 地球:ペロブスカイトが支配的な下部マントル 生化学:カリウムチャネルの制御 目次へ戻る