Nature ハイライト 生化学:カリウムチャネルの制御 2012年5月3日 Nature 485, 7396 K+イオンチャネルは、開口後にその細胞質内領域がチャネル小孔を通るイオン透過を物理的に遮断する位置に移動した場合、「不活性化」されることが多い。今回、Ca2+活性化BKチャネルのイオンチャネルサブユニットの1つに含まれる本来的に無秩序な構造を持つ特定のペプチドドメインが、立体特異的な結合を介して機能に影響を与えることが明らかにされた。BKのβ3a補助サブユニットであるペプチド領域は、結合しているBKチャネルがL–アミノ酸からなる構造のときだけチャネルを不活性化するが、D–アミノ酸からなるチャネルは不活性化しない。この結果は、2段階からなる不活性化過程では、補助サブユニットがチャネルを遮断するとしたら、小孔の単純な立体的閉塞だけではなく、立体特異的な結合事象が必要なことを意味している。 2012年5月3日号の Nature ハイライト 医学:mTORシグナル伝達の機構 代謝:代謝の時計を合わせる 医学:二重の作用で骨を保護 宇宙:地球の後期重爆撃期の証拠をたどる 物性:新たな準粒子オービトン 地球:ペロブスカイトが支配的な下部マントル 生化学:カリウムチャネルの制御 目次へ戻る