Nature ハイライト 物性:新たな準粒子オービトン 2012年5月3日 Nature 485, 7396 固体状態における電子励起は、スピンと電荷の両方を持つ自由電子とは全く異なる特性を示すことがある。極端な例が一次元系の場合であり、電子励起(準粒子)のそれぞれが2つの独立した粒子のようなものになり、その片方は電荷を持ち(ホロン)、もう片方はスピンを持つ(スピノン)。今回Schlappaたちは、一次元絶縁体Sr2CuO3という系ではこうした分裂の進み方が異なり、軌道自由度がスピノンから分離して別個の第三の準粒子「オービトン」が生じることを報告している。この研究は、電子の基本的自由度のすべてが「分割」できることを確認したもので、スピン励起と軌道励起を対等の立場に置く。 2012年5月3日号の Nature ハイライト 医学:mTORシグナル伝達の機構 代謝:代謝の時計を合わせる 医学:二重の作用で骨を保護 宇宙:地球の後期重爆撃期の証拠をたどる 物性:新たな準粒子オービトン 地球:ペロブスカイトが支配的な下部マントル 生化学:カリウムチャネルの制御 目次へ戻る