Nature ハイライト Cover Story:熱を感じる:スーパートルネードが太陽外層大気の温度を上げる仕組み 2012年6月28日 Nature 486, 7404 太陽大気の外層の温度はその表面よりもずっと高く、100万ケルビン以上に達する。しかし、十分なエネルギーが外層に運ばれ、散逸される仕組みについては明らかになっていない。太陽表面上の小規模な構造の高分解能画像化技術における最近の技術の進歩により(スウェーデンの1 m太陽望遠鏡からの撮影)、コロナと光球の間に挟まれている大気層である太陽彩層中の旋回運動が明らかになった。今回の研究は、NASAの太陽観測衛星からの観測結果を報告するもので、遷移領域とコロナ下層中に存在する高速回転している磁場構造を明らかにしており、これは彩層の旋回運動と関連している。これらの構造は、太陽条件下での巨大トルネードに似ていて、対流層から太陽大気上層に達し、太陽大気の下部から上部までエネルギーを運ぶまた別の機構となる。この機構は、太陽の大気外層を加熱して観測された温度にすることの説明となりそうだ。表紙は、観測された太陽表面と外層大気を連結している旋回磁気トルネードのCO5BOLDを用いたコンピューターシミュレーションを、VAPORソフトウェアを使って可視化した図である。(Letter p.505; N&V p.476) 2012年6月28日号の Nature ハイライト 生態:栄養摂取に新たな次元 細胞:カロリー制限と腸 遺伝:酵母の詳細なヌクレオソーム地図 宇宙:太陽系外惑星うしかい座τ星bに見つかった一酸化炭素 物理:原子核の安全地帯を越えて 化学:炭素–水素結合を活性化する革新的な方法 進化:岸辺をはいずっていたイクチオステガ 遺伝:ボノボゲノム解読で、類人猿ゲノムが勢ぞろい 免疫:T細胞はレヴィウォークで移動する 細胞:薬剤標的としてのTreg細胞 目次へ戻る